3か月でプロのWebエンジニアになれる!
そんな「プログラミングは簡単」と強調する広告をいまだに多く目にします。
ですが、いちからプラグラミングを学ぶことはとても地道で大変です。
頑張って勉強してきたからこそ、Webエンジニアへの転職は良いものにしたいですよね
僕も未経験からプログラミングを学習し、自社開発企業にWebエンジニアとして転職しました。
Web業界ではそれなりに歴史のある会社の、独立部門として設立された会社です。
しかし、入社からわずか2週間で適応障害になり、退職することになってしまいました。
僕がWebエンジニア転職をしたのは2019年のこと。
「これからWebエンジニア転職をしようと考えている人に同じような失敗をしてほしくない」という思いで、僕の転職失敗談を紹介します。
Webエンジニアを2週間で辞めた理由
僕が退職した理由は、適応障害になってしまったことです。
仕事を始めて10日ほどたったときのこと。
会社からの帰り道で彼女さんと合流して電車を待っていたとき、駅のホームで急に泣き出してしまいました。
気持ちを持ち直そうとしても、涙とおえつが止まりません。
主にリモートワークをしていたのですが、仕事用のノートパソコンを開くことにすら恐怖を感じてしまうような状態でした。
なんとか退職の手続きをした後も、適応障害の症状は続きました。
- 感情のコントロールができず、急に泣き出してしまう
- 不安が強すぎて座っていることができない
- 外に出て人目に触れることが怖くなる
その上、短期離職をしてしまったことなどに対して、自分を責める気持ちが次々とわいてきます。
「これからどう生活していけばいいのか」という不安も入り混じり、本当につらい経験でした。
Webエンジニアとしての転職先で起きたこと
それでは、実際に転職先で起きた出来事について紹介します。
放置されたリモートワーク
初出社をしてすぐ、週に一度の出社日以外はリモートワークで作業するようにと指示を受けました。
最初の仕事として任されたのは、「会社の主力商品であるWebアプリの全機能を検証し、リスト化する」というものです。
具体的には、
- ログイン画面にはユーザーIDとパスワードの入力欄がある
- ユーザーIDとパスワードを入力し、ログインボタンをクリックするとログインできる
というアプリの要素や挙動をすべて確認し、リスト化していました。
それをWebアプリの全画面分、1人で確認していくのですから、気の遠くなるような作業です。
さらにこの検証作業は会社として初めて行うもので、どの程度まで細かくリスト化していくのかの基準などもありませんでした。
自分なりに考えてGoogleスプレッドシートにリストの案を作って上司に確認をしても、
うん、いいんじゃない?
という生返事が返ってきます。
基本的にリモートワーク中は他の社員とのコミュニケーションはありません。
僕しか検証作業をやっていないので、そのまま放置のような状態でした。
それでもWebアプリの検証作業を黙々と行っていたのですが、
「本当にこの内容で合っているのだろうか」
「僕のこの仕事は役に立てているのだろうか」
と常に不安を抱えながらの作業だったため、だんだんと心が弱っていきました。
検証作業の締切や進め方について上司に相談しても、「とりあえず進めて」という返答しかもらえませんでした
案件の丸投げ
入社して1週間ほどたったとき、上司から案件を任せるという話が来ました。
内容としては、いちからランディングページを作るというもの。
ランディングページとは、商品やサービスの紹介を1ページにまとめたWebページのことです。
「やっとWebページの作成やプログラミングができる!」
と思ったのですが、大きな問題がありました。
それは、1人でいちから作成しなければいけないということです。
もちろんWebページを作成するためのHTMLやCSSなどの言語は学習していました。
しかし、仕事として取り組んだ経験はありません。
案件の中には、聞いたこともない技術が必要になる部分もありました。
わからないながらにいろいろと調べた結果、今の自分の実力では1人で担当するのは難しいと判断しました。
後日、勇気を出して上司に1人で担当することの不安を伝えると
お前ができなければどうせ俺たちがやるんだから、とりあえずやれ
という返答が⋯⋯
自分でどうにかするしかない、と業務時間後にランディングページを作成するための準備を進めていたのですが、
「この仕事ができなかったら、会社から見放されてしまうのではないか」
という不安と焦りで頭がいっぱいの状態でした。
技術の押し込み
入社した初日のこと。
上司から会社の説明を受けた際に、
会社のホームページの一部を任せるつもりだから、WordPressを完璧に使えるようにしといて
と言われました。
WordPressとは、このブログでも使用しているCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)のことです。
CMSを使うと、Webサイトを簡単に作成できます。
しかし、僕は当時WordPressを扱ったことがありませんでした。
思いどおりのWebサイトを作るためには、PHPという言語を学ぶ必要もあります。
入社前に、上司に「事前に学んでおいたほうがいいこと」を質問したときには別の技術のことを聞いていたので、急な話に驚きました
そのため入社初日から、休憩時間や業務時間後にWordPressを勉強することに。
寝る直前まで勉強していたため、興奮や
「今の会社でやっていけるのだろうか」
という不安でろくに眠れない毎日が続きます。
そして、Webアプリの検証作業や案件の丸投げで疲弊していたある日、上司から
今度Reactの開発チームに入れるから
という話を受けました。
Reactとは、Web開発をするための便利な技術です。
しかし、現役エンジニアでも習得に苦戦するほど難しいといわれていました。
当時の僕も、入社前に入門用教材で少し触れたことがあるだけ。
先の見えないWebアプリの検証作業。
丸投げされた案件。
WordPressやReactの習得。
どれ1つ満足にできない自己嫌悪と不安から、僕は適応障害を発症。
逃げ出すように退職の申し出をしました。
当時を振り返って
僕は転職先との面接の際に、自分のこれまでの経歴や学習内容についてすべて正直に伝えていました。
まったく知識のない状態から学習してきたこと。
自分が扱える技術やレベル。
転職先からは「それでも問題ない」とお返事をもらえたからこそ、入社を決めました。
Webエンジニアには、自走力や自己解決能力が求められるとよく言われます。
僕もそれを意識して学習や転職に向けた準備を進めていたつもりでした。
最初は「先輩と一緒に仕事をする」「既存の業務の一部から始めて徐々にステップアップしていく」ということをイメージするのは甘えなのでしょうか⋯⋯
参考:僕のプラグラミング学習歴
僕はもともと市役所に勤めていて、大学も文系の学部を卒業しました。
市役所を退職する3か月ほど前からプログラミングの自主学習を開始。
教材は人気のプログラミング学習アプリ「Progate」や参考書などです。
市役所を退職後は、「TECH::EXPERT」(現在は「TECH CAMP」)というプログラミングスクールに約3か月通いました。
「TECH::EXPERT」は当時から賛否両論でしたが、人には勧められないなと受講生仲間とよく話していました^^;
学んだ主な言語や技術としては、次のとおりです。
- HTML
- CSS(Sass)
- JavaScript
- jQuery
- Ruby
- Ruby on Rails
プログラミングスクールでは、GitHubを使いながらグループ開発や個人アプリの開発も行っていました。
プログラミングスクール卒業後は、転職活動と並行して学習を続けていきます。
Udemyの動画教材などを使って、発展的な内容を学んでいました。
合計で1,000時間以上はプログラミング学習に時間を使っていたと思います。
正直、大学受験や公務員試験よりも頑張って勉強していましたね
これからWebエンジニア転職をする人は慎重に!
僕は、時間もお金も使ってWebエンジニア転職を実現しました。
しかし強烈な転職失敗によって、Webエンジニアの道を諦めることになります。
退職後もWebエンジニアの転職活動はしていましたが、どうしても再挑戦はできませんでした⋯⋯
Webエンジニアを諦めて転職活動をしていたとき、転職エージェントの人に退職理由を説明すると、
あ〜、Webエンジニア転職のミスマッチって多いんですよね〜
とさらっと言われました。
程度の差はあれ、Webエンジニア転職の失敗の危険は少なくないということです。
これからWebエンジニア転職をしようとしている人は、ぜひ慎重に転職活動を進めてください。
また、今だからこそ思うWebエンジニア転職失敗の原因と対策についてや、適応障害を克服するまでの話も別記事で紹介しています。